起業家教育の重要性とは?考え方やポイント
近頃、全国的に行われている「起業家教育」を知っていますか。今後は、企業に属して働く方法のみならず、自分の知識や技術などを活かし、起業家して働く人も増えていきます。起業家にとって必要な“チャレンジ精神”や、“創造性”などを育てることにも繋がります。起業家教育とは、具体的にどんなものなのか、詳しくお話していきたいと思います。
起業家教育とは
2000年に行われた「教育改革国民会議」において、起業家精神が注目されるようになり、全国的に広まっている取り組みでもあります。起業家教育は、会社経営などを疑似体験してもらうことで「会社の設立」や「販売」「決算」などを通して起業家に必要な精神を養うことを目的にしています。
起業家教育を通して、自分の人生を見つめなおし、生き方を考えるきっかけにもなります。社会への自立を促すことでもあるのです。起業家として必要な力にはさまざまなものがあります。
探求心を育て、正しい情報を収集する力、分析し判断する力、実行力なども必要です。またコミュニケーション能力を高めて、リーダーシップを自然ととれるようになるなど、起業家として自立できるような力を育てていきます。
もちろん、起業家として生きる以外にも、社会に出たときに必要な能力でもあるので、身につけておいて損はないものだと思います。
中小企業庁などで、教育機関を対象にした、出張授業なども行っていますし、公演を通して起業家を紹介する取り組みなども行っています。
起業家教育が導入された理由
そもそも起業家教育を導入したきっかけとして、日本の企業率が世界的に比べても低いことが関係しています。米国は9.1%、フランスは10.9%、英国は13.5%と全体の1割以上が起業という働き方を選択しています。
日本の起業家は4.2%とかなり低い数字になるため、10%に引き上げられるように、起業家教育を導入したといわれています。日本には、かつて終身雇用の働き方が定着していましたが、今は、入社したあとに転職する人も増えていますし、生涯同じ会社に勤められるとは限りません。
そのため、自分の力で起業しお金を稼ぐことは、起業家としてはもちろん、人生を豊かにし活躍できる場を広めるうえでも大切です。
起業家教育は、主に小中高などへ強化して行われているものになります。先行して始まった、大学での「アントレプレナーシップ(企業家精神)」の教育を通して、人材を育てることに尽力しています。
実際にどんなことが行われているのかというと、起業した学生から小中高生向けにセミナーなども行っています。できるだけ早い段階で起業家精神にふれる機会を作ること、将来の選択肢として増やすことを目的にしています。
特に2022年に「スタートアップ創出元年」と位置付けていることもあり、2023年の予算案にも、盛り込みたいと話しています。いかに起業家という働き方が注目されているのかがわかると思います。起業家教育の注目度は年々高まっていく可能性が高いのです。
起業家教育でAIが進む未来の働き方が見える?
大学などで実際に導入されているアントレプレナーシップは、AI化した社会にこそ必要なものだと考えられています。5年・10年先を考えたときにAIに仕事が取られてしまい、働き口がなくなると考えている人もいるかもしれません。
機械が労働市場に入ることで、いかにデジタル化している職場でも、差別化する手段になると思います。機械などのテクノロジーに対して、脅威としてとらえるのではなく“チャンス”として考えられるかどうかです。
仕事を壊すものではなく、あくまでも潜在的な仕事を新しく創り出すものとして考えていきます。こうした基本的な考え方こそがアントレプレナーシップになるのです。
現在は大学生を中心に行われているものでもありますが、アントレプレナーシップを能力として身につけておくべきという考えが広まりつつあるのです。
将来について不安に思っている人にとっても、アントレプレナーシップを学ぶことが大切なのがわかると思います。
起業家教育を通して時代が変わっても、重要なことは“自分の頭で考えて、行動に移すこと”であると認識していきます。さらに自分が正しいと思える道を見つけ進んでいくこと、自分にしかできない仕事を見つけることも伝えています。
起業というのはそのための手段の一つであると考えるとわかりやすいと思います。やりたいと思えることを学ぶのが、成長できる環境を整えるうえでも必要です。
まとめ
起業家教育は、年々注目されており、今後小中高などでも導入され基本となる考え方になると思います。
これから活躍していく人材に対して、起業家としての働き方を提案すること、もっと自分たちのやりたいことを仕事にできるようにサポートしていくなど、起業家としての生き方を早くから知ることで、たくさんの可能性と向き合う事でもあります。
将来的にも自信をもって働けるように、起業家教育を通して“自分にしかできないこと”を探していきましょう。